若い方は古い映像でしか見たことはないと、思いますがチャレンジャー号の打ち上げは、生中継されていました。

大きな火の塊になった映像を観て、解説者だったか、中継していた人だったのかは忘れましたが、「アメリカは演出も派手ですね」と発言したくらい、シャトルは安全性が確立された宇宙機でした。

爆発は一瞬の出来事でした。

シャトルは、バラバラに分解され、SRBが姿勢制御されずに空を飛んでいる異様な光景でした。

どこに飛ぶか分からないSRBは司令破壊により、自爆しました。

沿岸警備隊が乗員を探しましたが、生存者はいませんでした。

宇宙開発での死亡事故はアポロ一号以降、全くありませんでした。

しかも、アポロは打上げ前の地上での事故であり。
打ち上げ後の最初の死亡事故になりました。

すぐに事故調査委員会が設置され、各分野の専門家により事故の調査が開始されました。

画像分析より打ち上げの直後にSRBから黒い煙が出ていることが分かりました。

SRBはいくつかの円筒をつなぎ合わせて出来ています。

SRB内部は点火と同時に高温高圧になり、その圧力を内部に留めるために、つなぎ目にはOリングと呼ばれるゴム製品が使われています。

打ち上げ当日は非常に気温が下がっており、そろOリングの開発者から受け上げ前のミーティングで打ち上げ中止を提案されていたのですが、他の出席者はその意見を無視し打ち上げのゴーサインが出されました。

いよいよ打ち上げの時間に、Oリングの開発者はSRB点火と同時に大爆発が発生すると想像していましたが、そうはなりませんでした。

何故か?
確かに打ち上げ数秒後に、黒い煙は出ておりOリングが機能しなかったことが確認されましたが、その後煙は消えました。

更に調査を進めると、Oリングの隙間にスラグと呼ばれる燃料のゴミが入り込み、一時的に隙間を塞ぐ現象が発生していました。

このため地上での、爆発は逃れました。

順調に飛行を続けていたシャトルですが、上層大気に早いスピードで流れる空気の層があったことが、同時刻に空を飛んでいた飛行機より判明します。

スラグで塞がれていたSRBの隙間がこのときに、外れて高温高圧のガスがメインタンクのほうへと噴出し、タンクに穴が空き液体酸素、水素が空中に漏れ出し、これに引火したことで大爆発が起きました。

NASAはあのときに、予算を削減されそうな状態にあり、シャトルを飛ばすことを優先した結果、大事故に発展したそうです。

しかも、分解されたものを回収し分析したところ、非常時に使う酸素チューブが三人使用していた形跡があり、海面に衝突するまで生きていたことも分かりました。

その後シャトルは一時的に飛行を中止し、安産対策を施して、緊急時には搭乗員がシャトル横のハッチから脱出できるようにしたり、いろいろと改修され、長い時を経て再度宇宙への打ち上げにこぎつけます。

チャレンジャー号のような悲劇は、二度と観たくないと、思っています。

しかし、その後もコロンビア号がリエントリー直後に空中分解する事故が発生してしまいます。

この時の原因は耐熱タイルが打ち上げ時に、メインタンクの断熱材の一部が剥がれ落ち、タイルを直撃した結果、エリントリー時に大気との摩擦熱に耐えきれずに空中分解してしまいました。

その後は宇宙ステーションも出来始めて、シャトルが到着したら、シャトルを回転させて断熱タイルの異常がないかを、ステーションの搭乗員が目視で確認する手順が加わりました。

今ではシャトルも退役し、人がステーションに行く、または地球に帰還する手段はロシアのソユーズに、限定されています。

チャレンジャー、そしてコロンビアの名は、宇宙史に永遠に残る事故となりました。